
借り物競走で成り立つ会場設営。
会場づくりにあたっては、足りない座布団を近隣の方々にお借りしたり、スクリーン用の布を地元の方からお借りしたミシンで縫ったりと、地域の皆さんの温かいご協力に支えられました。限られた準備時間の中で無事に会場を整えることができたのも、こうしたまちの方々との助け合いがあってこそだと思います。ぐんだらけらしい、手づくりのあたたかさがあふれる空間が生まれました。

前半戦は、ゆるいプロジェクト説明会。
プロジェクトの基本方針として、「アーティストや研究者、学生がまちに入り、地元住民の皆さんと“ぐんだら”(=おしゃべり)することで生まれる新しい視点をヒントに、まちづくりを進めていく」という考え方を、三谷(香大 特命助教)よりご説明しました。「ぐんだら」は引田の方言であり、参加者の多くにとって親しみのある言葉でもありました。ぐんだら家から徒歩3分にある江本手袋の手袋DJ EMOさんによる音楽で、会場は和やかな空気に包まれました。


続いて、3月に開催予定の「ひけたひなまつり」に合わせたアートプロジェクト「引田褻飾り(けがざり)プロジェクト」への協力を、馬場さん(藝大 研究員)が呼びかけました。「赤いものをかしてください」という唐突なお願いに戸惑いも見られましたが、「なんかあったら持ってきますよ」といった温かい声や期待も多く寄せられました。
また、芳我先生(香川大学 看護学科 教授)からは、2025年6月に実施予定の研究プロジェクトについて説明がありました。「気がついたら健康になっていた。そんなまちづくりに貢献したい」という目的のもと、約60名の学生が引田でフィールドワークを行う計画です。

イベントの後半では、「わくわくするまちって?」をテーマに、上村市長(東かがわ市長)と宮崎先生によるトークショーが行われました。宮崎先生からは、東京・谷中で運営する複合施設「HAGISO」の事例を紹介しながら、東かがわ市におけるまちづくりの可能性についてお話しいただきました。上村市長からは、好きなことをやる人の輝いている姿がまちのわくわくに繋がるということをお話しいただきました。

最後に、瀬戸内国際芸術祭2025夏会期に向けて、「ぐんだらけ」から出展する3名のアーティスト――桒原寿行さん、新居俊浩さん、沼田侑香さん――より、各自の制作プランが紹介されました。

今後、本格的なリサーチや制作の過程で、アーティストたちが引田のまちを訪れる機会が増えることや、作品制作にあたって地元の方々に素材提供などのご協力をお願いする可能性があることも共有されました。
後半は、ピザを囲んでの「ぐんだらパーティー」。
香川大学の学生たちが、東かがわ市の特産物をふんだんに使った手作りピザを焼き、参加者におせったいしました。
当日はあいにくの雨で、ピザ釜の火がなかなかつかないというハプニングもありましたが、ピザ屋を営む地元のお姉さんが手を貸してくださり、無事に焼き上げることができました。


アツアツのピザを片手に、世代や立場を超えてぐんだら(=おしゃべり)を楽しむ、あたたかく賑やかなひとときとなりました。
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Members
関わったメンバー
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沼田 侑香
Yuka Numata
- 現代アーティスト
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西村 雄輔
Yusuke Nishimura
- 美術家
- 東京藝術大学美術学部絵画科油画 教授
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馬場 悠輔
Yusuke Baba
- フリーランス
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新妻 葉子
Yoko Niitsuma
- 東京藝術大学 芸術未来研究場 特任助教
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宮崎 晃吉
Mitsuyoshi Miyazaki
- 東京藝術大学 芸術未来研究場 特任准教授
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中山 開
Kai Nakayama
- 東京藝術大学 芸術未来研究場 特任准教授
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柴田 悠基
Yuki Shibata
- 香川大学 創造工学部 講師
- 芸術未来研究場せとうち 統括リーダー
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𥸮原 寿行
Toshiyuki Kuwabara
- アーティスト
- 東京芸術大学 ART 共創拠点 特任講師
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三谷 なずな
Nazuna Mitani
- 香川大学 イノベーションデザイン研究所 特命助教
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芳我 ちより
Chiyori Haga
- 香川大学 医学部看護学科 教授
その他の参加者
記録撮影:川畑彩夏
スタッフ:香川大学生(馬場夏希、竹野理咲、眞野未央、向井沙恵)