柴田 早穂

Saho Shibata

宮の森鋳造工房 しょうどしま民俗座談会
柴田 早穂

1986年大阪府生まれ。5歳から香川県・小豆島で育つ。富山大学芸術文化学部および東京藝術大学大学院で鋳金を学び、東京藝術大学鋳金研究室教育研究助手を経て、現在は小豆島に〈宮の森鋳造工房〉を構える。

多様な「うつしとる」特性をもつ鋳造技術を用いて、土地の歴史・風土・暮らしの記録としての作品を制作している。制作は、鋳造のための素材採取をきっかけとして展開するフィールドワークのなかで、素材の背景にあるさまざまな要素に触れ、それらの現在までの成り立ちを理解していくことからはじまる。素材を採取する環境(山・海・町)からは、現在の状況やこれまでの変化を見ることができ、それにともなって人々の暮らしとその変化も見えてくる。民俗史を調べたり、聞き取りをおこなったり、その土地に住む人々と暮らしのための活動を協働したりしながら制作を進めていく。最終的には、リサーチから得られた内容をモチーフに、採取した素材を用いて鋳造による金属彫刻を制作。そして、制作記録の冊子や映像とともに、プロセスに焦点を当てたインスタレーションを発表している。

また、小豆島にて〈しょうどしま民俗座談会〉を立ち上げ、メンバーとともに聞き取りから成る島のZINE「いとなみ」を制作中。聞き取りからは、時代の変化や大きな歴史観のなかに埋没してしまいそうな、ひとりひとりの生きた軌跡があたたかな温度をともなって立ち現れてくる。



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